荒川区地名の由来「東京都荒川区編」
荒川区地名の由来は単純明快なもので、荒川という河川のことを示しています。荒川区の面積は10.16平方キロメートルとなります。
不思議なことに現在の荒川区には荒川は全く流れていません。
あらゆる地図を探しても、荒川の本流は他の地域を流れていることが分かる状況で、荒川区地名の由来を探している人を困惑させることがあるわけです。
この問題は歴史を振り返ってみればすぐに解決できるもので、実際には難しいことではありません。
荒川区地名の由来は、大川とも呼ばれる隅田川のことで、荒川とは深い関係を持っているのです。
現在の河川法が制定されるまでには、隅田川という正式名は存在することがなく、荒川放水路と荒川の2つに分かれていました。
1629年の瀬替えによって、和田吉野川と入間川の流路をたどるようになり、江戸の下流部が荒川の本流になった経緯があります。
この荒川とは隅田川のことですが、長らくは荒川と呼ばれていたのです。
荒川区が発足した段階では、隅田川の上流部は荒川と呼ばれることが多かったために、荒川区という地名が採用されることになりました。
東京市荒川区として発足したのは1932年のことで、この当時には荒川放水路が完成していました。
1965年には岩淵水門から下流の旧荒川が正式に隅田川と名前を変えて、現在のような形になりました。
このときから荒川区には荒川がないという事態が発生することになりますが、年配の世代にとっては特に不思議に感じることはなく、自然な形で定着しました。